ソ連崩壊後も閉鎖都市だったボリショイ・カーメニ
沿海地方の最大都市ウラジオストクの近くにある、ソ連時代からの軍港都市ボリショイ・カーメニ。原子力関連の海軍施設があることから、2014年の大統領令が発布されるまでのあいだ、長らく閉鎖都市として外国人の入域が制限されていた町です。
原潜の解体処理の際に日本海に投棄されていた放射性物質の問題を解決するため、日本から液体放射性廃棄物の処理施設「すずらん」が2001年に供与された港としても知られています(現在も同港に係留中)。
未だに閉鎖都市となっている南のフォキノ周辺とは異なり、ようやく外国人に開放されたここボリショイ・カーメニの見どころを紹介します!
ヤンキーⅠ型原子力潜水艦K-434
1960年代から1990年代まで、冷戦真っ只中に活躍したソ連の原子力潜水艦ヤンキーⅠ型の潜水艦です。艦の一部が市内に記念に残されています。
地区住民のオベリスク
市内のシュコトフスキー地区にある、大祖国戦争(独ソ戦)の戦勝を記念するモニュメントです。1985年に完成し、2005年に再整備されました。近くには灯台も立っています。
ズヴェズダ
造船所と同じ名前が付けられた子ども向けの文化施設で、ソ連時代に建てられました。外壁のソ連時代のモザイクはアート好きは必見。
文化の家
前述のズヴェズダに隣接する文化施設です。こちらは大人向けの施設で、ソ連各地の同様の施設によくある建築様式となっています。
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いかがだったでしょうか。
ボリショイ・カーメニは、他の沿海州の観光地とは異なり、近年まで閉鎖していた都合上、かなり特殊な旅を楽しめます。観光地向けの博物館などは(郊外にはあるものの)市内になく、執筆時点では立派な教会もまだ1つも市内に完成していません。閉鎖都市が解除されて正教会の立派な大聖堂の建設が始められたので、今後はすぐに他の沿海地方の町と同じような雰囲気になっていくのかな…と思います。
ちなみに、港はズヴェズダ造船所のものとなっており、日本側が供与した「すずらん」を見ることもできますが、センシティブなエリアなので港の撮影は控えておいたほうが賢明だと思います。訪問は自由になったとはいえ、余計なトラブルの種を撒くのは避けましょう…!
※随時更新しています