旅好きのメモ

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第二のシベリア鉄道「BAM鉄道」に乗ってみよう

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日本で有名なロシアの鉄道といえば、ロシア帝国の時代に建設されたシベリア鉄道でしょう。

 

しかし、極東ロシアにはシベリア鉄道と並走する形で建設された「第二のシベリア鉄道」なるものが存在することを皆さんはご存知でしょうか。

 

今回は、シベリア鉄道の北にソ連時代に新たに建設されたバイカル・アムール鉄道、通称BAM鉄道(バム鉄道)についてご紹介します。

 

スターリン肝煎りの公共事業

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バム鉄道は、極東の仮想敵国だった日本との戦争を想定して計画された鉄道路線です。

 

満州との国境沿いを走るシベリア鉄道では日本の侵攻に耐えられないと考えたスターリンは、シベリア鉄道よりさらに北に新たに鉄道路線を建設することにしました。

 

まずはハバロフスク地方の工業都市コムソモリスク・ナ・アムーレから日本海沿いの港湾都市ヴァニノまでの区間を1945年7月に開業しました。

 

日本に勝利したあとは、抑留された日本人も動員して残りの区間の建設が進められたものの、スターリンの死後に事業は凍結されることとなりました。

 

スターリンの時代に開通したのは、東のコムソモリスク・ナ・アムーレ〜ヴァニノ間(1945年開業)と、西のタイシェト〜ウスト・クート間(1947年にブラーツクまで開業、1951年にウスト・クートまで延伸)のみ。

 

その後、中ソ国境紛争の本格化により中国が仮想敵国となってからバム鉄道の建設が再開され、1986年にようやく全線が開通しました。

 

沿線の見どころ

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バム鉄道は軍事的な理由から建設されたもので、歴史的な見どころはシベリア鉄道沿線よりは少ないものの、それでも見る価値のある場所が結構あります。

 

始発駅のあるタイシェトはシベリア連邦管区にある町なので今回は割愛し、ブリヤート共和国から東の見どころを取り上げようと思います。

 

セヴェロバイカリスク

 
 
 
 
 
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世界最大の湖(世界一の透明度を誇る湖でもある)バイカル湖沿いにある町です。バイカル湖のクルーズの拠点となる町。

 

ティンダ

 
 
 
 
 
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アムール州にある交通の要衝です。バム鉄道の本線のほか、サハ共和国の第二の町ネリュングリ方面やシベリア鉄道方面に向かう鉄道も通っています。

 

コムソモリスク・ナ・アムーレ

 
 
 
 
 
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スターリンの時代に極東の工業都市として建設された町です。現在もハバロフスク地方で第二の都市として非常に栄えている町です。シベリア鉄道の通るハバロフスクに向かう鉄道もあるので便利。

 

ヴァニノ(ワニノ)

 
 
 
 
 
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極東ロシアの港湾都市として発展してきた町です。サハリン州のホルムスク(日本統治時代は真岡)まで鉄道連絡船が運航しており、海運の拠点として今も栄えています。終着駅のソヴィエツカヤ・ガヴァニ駅は軍用のため、一般人はヴァニノ駅までしか利用できないので注意(町の訪問は可能)。

 

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いかがだったでしょうか。

 

歴史的な主要都市を結ぶシベリア鉄道沿線に比べると(沿線の魅力の面で)どこか見劣りするように感じられるかと思いますが、今回紹介した町はいずれもソ連時代の面影が色濃く感じられる町です。

 

今は亡きソ連の面影を感じたい方は、ソ連の国家的事業となったバム鉄道に乗ること自体がオススメですし、その沿線で開発が進んだいずれの町もきっと魅力的に映ることと思います。

 

日本人にはバム鉄道はまだまだ地名度は低いですが、極東ロシアの魅力が詰まった路線でもあるので、是非一度乗ってみて欲しいと思います。