サハリン鉄道に乗ってみよう!
ロシア最大の島、サハリン。かつて日本統治時代だった南樺太(1905年~1945年)で整備された樺太鉄道をソ連が接収し、その後に北部への延伸や、老朽化した支線の廃止などによる効率化が進められて現在に至っています。
かつての南樺太にある路線は、日本統治時代からルート自体がほとんど変わっていないことから、樺太出身者の子孫や鉄道好きの方を中心に日本人もちらほらと乗車しています。
サハリン東線
稚内からの旅客&貨物船が到着する港町コルサコフと、サハリン北部の町ノグリキを結ぶ路線です。執筆時点では、コルサコフ~ユジノサハリンスク間の鉄道と、ユジノサハリンスク~ポロナイスクの鉄道が運行しており、ポロナイスク~ノグリキ間は運休中。現状、ユジノサハリンスク~ノグリキを結ぶ「サハリン号」が運休しているのが残念です。コルサコフからポベジノ(古屯)の間は、かつての樺太東線の時代からほぼ変わらないルートを走っています。
【沿線の主な見どころ】
- コルサコフ(大泊)
- ユジノサハリンスク(豊原)
- ドーリンスク(落合)
- ヴズモーリエ(白浦)
- マカロフ(知取)
- ポロナイスク(敷香)
- レオニドヴォ(上敷香)
- スミルヌイフ(気屯)
- ポベジノ(古屯)
- ティモフスコエ(ティモフスク)
- ノグリキ
サハリン西線
西海岸の南部にあるネヴェリスクを出て、ホルムスク(大陸行きの鉄道連絡船が発着)を経由し、イリンスコエまで間宮海峡沿いを走る路線です。執筆時点では、ネヴェリスク~ホルムスク間、ホルムスク~トマリ間、トマリ~イリンスコエ(駅名はイリンスク)間の主に3つの鉄道に分かれています。トマリ~イリンスコエ間を走る鉄道は、トマリを出てから、後述する東西連絡線を通ってユジノサハリンスクまで運行しています。
【沿線の主な見どころ】
- ホルムスク(真岡)
- チェーホフ(野田)
- トマリ(泊居)
- イリンスコエ(久春内)
東西連絡線
サハリンの西線のイリンスコエ(駅名はイリンスク)と、東線のアルセンチェーフカを結ぶ鉄道路線です。西線のトマリからイリンスコエを経由し、そのまま州都のユジノサハリンスクまで東線を下る鉄道がこの路線を運行しています。前述の東線や西線と異なり、こちらの連絡線はソ連時代の1971年に開通したもので、日本統治時代の路線ではありません。
【沿線の主な見どころ】
※連絡線なので特に見どころはなし!
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いかがだったでしょうか。
日本統治時代を経験したサハリンは、シベリア鉄道やバム鉄道など大陸の鉄道とは異なり、最近までは日本と同じ狭軌で運行していました。
現在では全て大陸と同じ広軌に移行していますが、それでもほとんどが日本統治時代から変わらない区間を走っていることに変わりはないので、日本人目線としては非常に興味深い路線になっています。
今回紹介した路線以外に、ユジノサハリンスク市内には子ども鉄道(所在地はガガーリン記念公園)も走っていて、子どもが車掌を務める鉄道に乗車するという面白い体験ができます。
日本とロシアという大国間で揺れ動いた歴史を持つことから、極東ロシアのなかでも大陸部とはまた違った雰囲気を持つサハリン。鉄道に乗って、北海道と似た自然の景観、そして日本人の痕跡などを訪ねるのも、感慨深い旅になることでしょう!